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冷たく輝く北国の灯り。
札幌に生まれ育った作家が創る
Made in Sapporoのキャンドルたち。

キャンドル制作
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キャンドルワークス
代表作は『札幌スタイル』の認証も受けている「フロストピラー」。 生まれ育った札幌の冬の空気感を再現した。 キャンドル作家・福井優子さんの手にかかると、 キャンドルは灯り以上の存在感を持ち、やさしく辺りを照らし出す。 屋号は「一歩前へ」を意味するProgressive Candle。 「ロウはもっと自由になれる素材」。果てなき可能性を見つめる。





冷涼な北国の美しさをキャンドルで表現

2009年11月末日、個展会場の「石の蔵ぎゃらりぃ はやし」を訪ねると、「こんにちは」、鮮やかなブルーのストールをまとった福井さんが笑顔で迎えてくれた(現在個展は終了)。 白い壁には代表作の「フロストピラー」が連なり、雪国の象徴でもあるつららか、あるいは雪解け時に屋根からしたたり落ちる雫を連想させた。 この“冬の空気感”こそがキャンドル作家・福井優子さんの世界。 ぬくもりをもたらすキャンドルに、冷涼かつ研ぎすまされた冬の美しさを融合させる斬新な手法で独自の世界観を構築する。 2001年から「Progressive Candle」として活動を開始するも、最初は手作りマーケットやキャンドル教室で宣伝する地道な日々を送った。大きく変わったのは2006年。作家仲間でサンドアートを手がける村井隆之さんの仲介で『札幌スタイル』の作品公募を知り、フロストピラーで応募した。書類審査とプレゼンに合格したその認証が、福井さんを一気に北海道を代表するキャンドル作家へと成長させた。 「『札幌スタイル』以降、より明確にプロ意識を持つようになりました。キャンドルが自分の手から離れていろんなお客様の元に旅立っていく。その先先で“また使いたい”と思っていただけるように品質維持はもちろんのこと、心をこめて作っています」





ロウだれせず、最後の一瞬まで美しく

札幌生まれの札幌育ち。趣味のキャンドル集めが高じて作り手になった。 21歳のときに当時サッポロファクトリーにあったキャンドル工房に“おしかけ応募”したところ、運良くスタッフの退職と重なり即採用。一日中キャンドル作りに没頭した。 キャンドルの基本的な作り方は溶かしたパラフィンワックスを芯と一緒に型に流し込み、固まったら完成。着色や香りづけは溶かす段階での作業だが、重ねる・埋め込むなどの加工は固まりかけの絶妙なタイミングを狙って行われる。 「そこを逃すとまた溶かして一からやり直し。慣れてくると固まりかけの風合いを見ただけでわかるようになってきます」。 26歳で独立し、2つの目標を掲げた。 「札幌の冬の空気感をキャンドルの中に閉じ込める」、そして「ロウだれしないキャンドルを作ること」。終盤のロウだれは興ざめがするし、受け皿の後始末も大変だ。ロウだれせず最後まで美しく燃え続けるキャンドルに最適の形、芯の太さを模索した。 テスト燃焼を何度となく繰り返し、とうとう“ロウだれが少なく6時間燃焼する”フロストピラーを完成させたときは「どこに出しても通用するキャンドルを創り上げた」という確信を持った。 札幌育ちの視点が生んだ優美なデザインと、繊細な手仕事が可能にした高い技術力。両者を併せ持つフロストピラーが出来たのは2000年のこと。のちに『札幌スタイル』の話が舞い込んだとき、福井さんは迷わずこの自信作の名を応募書類に書き込んだ。





新たな代表作の予感「氷の蝶キャンドル」

フロストピラーが『札幌スタイル』に認証された後の反響は本人も驚くほど。 新千歳空港のショップで見かけた観光客から「北海道の雰囲気をそのまま部屋に飾りたいから」と20本の大量注文が入った。感激した福井さんは20本全て違う模様のピラーを作って納品した。現在、JRタワー展望室にある札幌スタイルショップでは多い月で100本近くの売上を見せている。 「特に嬉しいのは贈り物に使っていただいたとき。自分の作品が“人にあげたい”と思われるなんて作り手冥利につきます」。 看板作品があっても足踏みはしない。個展では新作『氷の蝶キャンドル』を発表した。蝶の中心にある芯に火を灯した瞬間、見る者はあっと息を飲むだろう。蝶の影が同心円状に広がり、炎の揺らめきにあわせて幻想的に羽ばたく姿に魅せられる。 「まだ誰も見たことがないキャンドルの世界」を追いかける福井さんの実力が遺憾なく発揮された、新たな代表作となっていくに違いない。
ライター/佐藤優子 ICC クリエイターファイルより)